内藤と武藤

拳王選手がプロレスファンの目になって武藤敬司引退興行へ向けての動画をアップする中、内藤哲也選手もプロレスファンの目になって武藤敬司引退試合へのインタビューを受けています。

一時期「最高のプロレスラーになるにはプロレスファンでは駄目なのかな」と思ってプロレスを見ていた時期が個人的にあったのですが、2023年現在は「最高のプロレスラーはプロレスファンだからこそなれるものなのかな」と思うようになりました。

時代の流れというのもあるのでしょうけど。

感情のままに動く、損得勘定しない
だからこそファンに刺さるというケースも多々あります。

が、

ファン目線でファンに語る
だからこそファンが共感するということの方が増えているのかもしれませんね。


武藤敬司という入り口からプロレスラーを目指した内藤哲也。
そしてプロレスからの出口の前に立つ武藤敬司の扉を開けることになった内藤哲也。

内藤哲也が武藤敬司のコピーレスラーのようだった時代はブレイクするどころかブーイングを浴び、そして武藤敬司の系譜と言える棚橋弘至を目指した内藤哲也は頭打ちとなり、そこで独自の路線であるロスインゴベルナブレスデハポン・制御不能な内藤哲也となったところで突き抜けた。

脱武藤敬司、脱スターの系譜、これをした先に武藤敬司がいるというのはね・・・プロレスファンを何十年やっていて1回見られるかどうかぐらいのドラマですね。


武藤敬司も内藤哲也も大スターですが順風満帆ではなかったという点、この共通点も好きなんですよ。

武藤選手はあのルックスに身体能力を兼ね備えていましたが、当初はUWF人気という邪魔な存在がいました。
グレート・ムタという別の姿を手にして世界的人気になりましたが、仮の姿が実の姿である武藤敬司を超えてしまっているという状況があり、武藤敬司側が伸び悩むこともありましたし・・・それで何だかんだして完全なる新日本プロレスのスタートなってすぐに格闘ブームに飲み込まれ、退団してからも結構大変な道でしたよね。

内藤選手にしても武藤敬司のマネと言われ、棚橋弘至の対抗馬として期待されていたのですがなぜか好勝負・名勝負を上の選手とやってもイマイチ突き抜けない。
本音よりイイ子ちゃんなコメントを選んでしまってファンが熱くなれなかったり、かと思えば不用意な本音の発言で叩かれるようになるなど(まずはNEVERなど)何だかんだで内藤哲也という大スターが大スターになったのはこの数年の話。

細かいことを言えば、おめめパッチリだったり膝が悪いところだったり、じっくりしたねちっこい試合を好むところなど共通点は多々ありますよね。

名字も「藤」がつきますし(笑)


この二人の試合に関して、内容がめちゃくちゃ凄いとかってことはないと思うんですよ。
中邑真輔とムタの試合のエンタメ性を超えることも難しいでしょう。

ただ、武藤敬司の最後の試合が東京ドームのメインで、そして内藤哲也が相手であることだけでも十分というか・・・派手な試合とか危険な試合とかそういうものをシチュエーションだけで超越する状況ですよね。

呼吸の1つ1つすら記憶に残る、そんな試合になるのではないでしょうか。


20代でのIWGP戴冠という夢はオカダカズチカに「しったことじゃねーよ」と言われて幻と消えた。
そんなことがあった内藤哲也選手もあれから10年?11年?ぐらいでしたっけねぇ。

夢は叶わなかったですが、その後に夢にも思っていなかったであろう現実が目の前に置かれた。

なるほど、これがデスティーノか。


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