まず、TV王座トーナメントは成田が矢野に勝利&SANADAがKENTAに勝利ということで、準決勝のカードは成田vsSANADAとザックvsEVILで確定しました。
で、あの~・・・成田選手とSANADA選手は何を言っているんでしょう?
成田選手の世代交代というテーマ。
これ自体は理解できますし「やっちゃえよ!」という思いで応援をしています。
ただ、世代交代・世代闘争って世代のトップと世代のトップがやるもんでしょ。
それも時間をかけて様々な感情を煮詰めて「これ食えるのか?」ってぐらい煮込んだ鍋に生まれる極上のテーマじゃないですか。
それが何ということでしょう。
TV王座なんて急に出来たタイトルのトーナメント戦の準決勝戦に向けて、わざわざリングに上がってきて世代交代を宣言する成田選手。
それに対して「いや、あなたが世代交代を上に対して貪欲にしていくことをファンは待っているんですけど?」と言う立場であり、世代のトップでもなければ「オカダのライバル」の後にカッコ笑いをつける人もいるぐらい「まだまだ全然ここからでしょ?」という状況のSANADA選手が「やれるもんならやってみろよ」って・・・
僕はね、純粋に「何を言っているんだこの二人」って思いましたよ。
世代交代なんて大きなテーマは何度も使えるものじゃないです。
口にすれば簡単に成立するけど、実際に盛り上げるためには時間もかかります。
そこには様々な感情が、ファンの感情も含めて入るから盛り上がるわけです。
長州力がアントニオ猪木に対峙したように
三銃士が長州・藤波・天龍と激闘したように
中邑・棚橋が多くの強者に食らいついたように
内藤哲也が棚橋弘至の胸を叩き礼をしたように
何より、成田の師匠である柴田が出戻ってから第3世代を相手にNEVER戦の中で「置き忘れた世代交代・世代闘争」をしたように、そこには喜怒哀楽の全てがあるようなものが世代交代をテーマとした戦いじゃないですか。
それが、帰国してすぐエントリーされた新設タイトルのトーナメントの途中で「SANADA相手」に言うことでしょうか?
そして、それに対して普段余計なことは言わない無口なSANADAがこんな時に限って「やれるもんならやってみろよ」って、何故か受けて立っちゃったわけですよ。
帰国して実績があるわけではない、若い世代でトップでもない成田選手と30代半ば~40歳程世代の中でトップでもないSANADA選手が、世代のトップじゃない選手同士がTV王座のトーナメント準決勝で世代闘争するんですって。
成田選手にもSANADA選手にも何の感情もなさそうな状況でそれを見るファンに何の感情が入るのでしょうか・・・これは限りなく無に近い感情ですよ。
名勝負になったら?
いや試合内容はこの話に関係ないです。
仮に年間ベストバウトに選ばれたとしても、何じゃそれって構図じゃないですか。
しかも、しかもですよ?
このトーナメント戦、15分一本勝負で時間切れになったらコイントスで勝敗を決めるルールがあるんですよ?
成田「世代交代だ!」
SANADA「やれるもんならやってみろよ!」
実況「時間切れ引き分け!コイントスで勝敗を決めます!」
SANADA「うわ~裏だ~」
成田「やった表が出た!世代交代!世代交代!俺の時代!」
会場のお客様の半分は凍死するでしょう。
一方その頃、ノアの大会では世代交代とは少々違いますが武藤敬司と棚橋弘至が戦っていたわけですよ。
これ、棚橋選手が今日の新日本プロレスの大会をチェックしてメイン後のやり取りを見た時に唖然とするんじゃないかと思いますよ。
内藤哲也選手なんかも「成田とSANADAは何を言っているの?」って思うのではないでしょうか。
これ「成田はギラギラしてていいですねー」「SANADAも下からの突き上げで気合が入りましたね」とかフォローする記者とかファンがいるようなら、それこそ愛がないと思います。
いや、このままだと成田とSANADAは謎の世代交代をテーマとした戦いで使い捨てになりそうじゃんって。その心配の方がデカいだろって思うのがファンの本音ではないでしょうか。