東京ドーム決戦へ向けて、内藤哲也選手とSANADA選手の特集VTRがアップされました。
元々、内藤哲也と真田聖也という2人のレスラーは「年齢は結構違うけど団体の垣根を超えた次世代のプロレスを背負うライバルってことでいいか」とマスコミとファンが勝手に盛り上げた部分も大きかったりするので、仕方ないことではあるのですが・・・
実は、薄い
これが現実だったりする。
内藤哲也選手のレスラー人生は濃いです、面白いです、デビューから見てきたので思い入れもあります。
SANADA選手だって真田聖也から知ってますし、L・I・J入りした時のあの静まり返った観客には「お前ら新日以外への興味0かよ!」と腹が立つぐらいでしたよ。
真田聖也~SANADA、ここだって単体で見れば濃いんです。
なのでこの映像自体は感動的であり、各々のファンからすればたまらないものがあります。
が、内藤哲也とSANADAという二人の物語にするととてつもなく薄くなってしまう。
内藤哲也選手が好きなファンほど、SANADA選手が好きなファンほど、その思いになるのではないでしょうか。
「ファンとマスコミが作り上げた垣根を超えたライバル、内藤哲也とSANADA」は新日本プロレスではずっとL・I・Jの仲間として活動をしてきました。
その中で、SANADA選手はノーコメントが基本。
「SANADA、新日本プロレス試合後コメント集」なんて出そうものなら駅に置いてあるフリーペーパーのページ数すら埋まらないかもしれません。
L・I・Jを出てからも言葉少ないことに大きな変化はなく、先日の「今シリーズ、口では内藤さんに勝てないと思ってずっと黙ってたんですけど。内藤さんなら、もっといいことを言ってくれるかなと思ったんですけど、全部想定内でした。ただ自分の悪いところも指摘してくれて、とても感謝してます」という発言には「え?なんて?」とキレた人が多そうでした。
いくら内藤哲也と言えども「リアクションの無い相手を口撃していても盛り上がるわけがない」わけですし、内藤哲也選手と言えば「誰もが思っているけど言い辛いことを平気で嫌味っぽくネチネチと口撃する天才」ですが、これは相手側が開き直ったりノーリアクションだと効果0ですから。
で、結局のところ内藤哲也×SANADAの二人にはドラマがあるようで無い。
何と恐ろしいことに、L・I・Jを出ていってからSANADA選手が王者になり、そこに内藤哲也選手が東京ドームで挑戦するという事実以外に何の要素も生まれませんでした。
120点の試合になっても見ている人で感情が入るのは超・内藤哲也推しのファンと超・SANADA推しのファンだけじゃないかと思いますし、内藤選手がついにドームでデハポンの大合唱をして『とりあえずやっとできてよかったよね。あとは旗揚げ記念興行で内藤vsヒロム実現でL・I・Jも歴史の終盤だね~』ぐらいの感想で終わってしまう可能性が高い。
違うんだ、L・I・Jファンや内藤哲也ファン、新日本プロレスファンが見たい内藤哲也の締めるイッテンヨンの大合唱はそんな作業的なものではないはずなんだ・・・
なぜあの日、KENTA乱入なんてアホなことを起こしてしまったのか。
そしてその直後から日本も本格的にコロナ禍となり、今思えば過剰に煽られて過剰に怯えて2~3年の月日を大切に使えなかった。
気がつけば内藤哲也選手も41歳、恐らく東京ドームメインに立つのは今回がラストかあと1回あるかの年齢。
ほぼ想像が付くが、仮にイッテンヨンで内藤哲也選手が勝利して大合唱締めをしたとしても、多くのファンはこう思う。
『内藤哲也の20代でのIWGP戴冠を「そんなのどうでもいい」とあざ笑いながら阻止したオカダカズチカを倒して大合唱で締める東京ドームメインを僕は(私は)求めていたんだな・・・』
と。
ステーキを食べたい時に食べる「牛タン丼」では100%満たされないのと同じだ。
せめて、SANADA選手が「自分の師匠的存在である武藤敬司の引退試合を内藤哲也が務めたこと」に対してのジェラシーをあの日からずっと爆発させて、見せ方がそれ一本だったとしても何とかなかったと思うのだが・・・。
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