新日本プロレス所属、柴田勝頼選手が
昨日のタイトル戦後に倒れ緊急搬送され硬膜下血腫で手術となりました。
硬膜下血腫という大きなダメージは、正直なところ「復帰を祈る」とか
そういうレベルではなく「まず健康になってほしい」という気持ちです。

私は生放送でこの試合を見ていました。
王者オカダカズチカ 挑戦者柴田勝頼の試合は
戦前から「昔なんてしらねーよ」というオカダカズチカに対し
「男の根性を見せてやる」と昭和感のある柴田の舌戦が続き
いざ試合となると昭和プロレス的な静かな攻防から入り
中盤はオカダの華やかな技と柴田のエグい打撃の応酬。

はじめてプロレスを見た人がこの試合を見たら
「え?プロレスって寸止めじゃないの?」とか「血ノリじゃないの?」
なんて驚くのではという試合を繰り広げました。

終盤になり、柴田のヘッドバットがオカダの脳天に炸裂しますが
画面越しから「ゴッ」という音が聴こえるぐらいの勢いで
現地では両国国技館の2階まで聴こえたぐらいのものだったようです。

ヘッドバットを仕掛けた柴田本人が流血をしてしまい
一筋の血が顔をつたうそのシーンと目つきは「あ、あの頃の新日本だ」と
思ってしまうような殺気がありました。

が・・・、その時に柴田の口元が「ヤベェ」というように
動きが気がしたのが気になったんです。

でも、それからも激しい試合が続いていたのですが
柴田の蹴りの連打をこらえたオカダが顔面を蹴り飛ばし
レインメーカーを叩き込むなど反撃していく中で
柴田の魅力でもあり悪い部分の「倒れないで踏ん張る」姿が目につきました。

物理的なことですが、町の喧嘩であってもなんでもあっても
攻撃をされたら受け流す方がダメージは少ないです。
それを全部踏ん張るのですから相当のダメージが蓄積されるはずです。

昨年1年間、毎月のようにNAVER王者として激しい試合をしてきた
柴田の全体のダメージもあったのでしょうか、試合終了の1分ほど前に
柴田の目線が完全におかしくなっていました。

最後のレインメーカーを食らったときも受け身というよりは
膝からストンと落ちるような倒れ方をします。

それでも試合後は勝者のオカダより先に起き上がっていましたが
そこから花道を下がる時は足がフラフラで右腕もプラプラした状態。
這いつくばるように戻っていきましたが、これはプロレスという性質上
よく見かける光景ではあります。

しかし・・・その後、柴田は倒れて搬送され硬膜下血腫と診断。
すぐに5時間もの手術を受けたという報道がありました。

柴田勝頼は新日に最初に所属していた時代に
棚橋弘至、中邑真輔とともに新闘魂三銃士として持ち上げられました。
その後、一部報道での話ですが契約更新の時に会社側の「第三世代(先輩)には踏み台になってもらう」という話を受け
不満を感じながらも、おそらく本当の戦いを求めていたのでしょう、総合格闘技に挑みました。

それから長い年月を経て新日本に桜庭和志とともに参戦し
賛否両論ある中で戦いを見せながらファンを魅了して今では所属の選手として、
また新日本の顔となるレスラーの一人として存在感を日増しに上げていました。

昨年はNAVERの防衛戦を毎月行い、海外遠征もしながら
非常に激しい試合を・・・プロレスを知らない人に見せると
ただただ驚くような試合を続けてきていました。

3月にNJCで優勝をして4月、オカダに挑戦し敗れるわけですが・・・
レスラー柴田勝頼として、両国のメインで客を何度もどよめかせ
凄い試合を見せた上での無念の負傷で引退というのも似合います。

もちろん、柴田勝頼が柴田勝頼として復帰できるのであれば
それほど嬉しいことはありません。私も同じ世代ですし
勇気をもらえる存在だからです。

・・・今回、こういうことになったのは残念ですし
ついこの前は本間選手が頚椎を負傷してまだリハビリするなど
どうしても「プロレスを安全に!」という声が上がるのもわかります。

でも、プロレスラーは超人なんです。
また、プロレスは危険な物です、そもそも。
プロレスという言葉の中には危険という言葉も含まれるはずです。
だからレスラーは体を鍛えて鍛えて鍛え上げるわけです。

怪我なんて無い方がいいです、当たり前です。

ただ、柴田勝頼が硬膜下血腫の状態で試合をして
歩くことも難しい状態でも倒れながら這いつくばりながら
花道を下がっていくあの姿が「レスラー」だと思ったわけです。

今日の一夜明け会見で、オカダ選手は記者から
「柴田選手について」というコメントを求めました。

オカダは、言葉につまり泣きそうな表情になりながら
「柴田選手は馬鹿真面目なので、約束は必ず守る人。だからこの場で復帰してまたやろうと約束をします」と言いました。

このタイトル戦の前、柴田はオカダに対して
「レインメーカーという覆面レスラーのよう。感情が見えないマスクマン。」と言いました。

しかしそのコメントをしているオカダカズチカは
素の素顔のオカダカズチカになっていたと思います。

タイトルマッチには負けましたが、怪我との試合には勝ってほしい!!

頑張れ!柴田!!

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